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ー旅・人生・シゴトの楽しみ方を追及するブログー

【理学療法】彼はマッサージを専門でやっているの、体を揉んでもらうといいわ

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日本という国家は常識や世間体にかたく縛られている。海外での暮らしが長く続くと、帰国後の社会へ適応できるのか漠然とした不安にあおられる。現地で生活するうえではその地域の文化に従わなければならず、日本との違いに戸惑うことも多い。

続きは以下よりお読みください。 

 

 

海外生活経験者が「外の国は自由だ」と口を揃えていうのも、日本人であるアイデンティティや社会的基盤があってのことであろう。フリーランスやノマドワーカーといった働き方が日の目を浴びてきたのもここ数年のことである。"言論の自由"や"表現の自由"するといった考えかたがあるにもかかわらず、その心は何かに捉えられたかのように不自由だ。

ここでわたしは日本の批判をしたいのではない。”日の出づる国”は古来より人々のつながりを大切にしてきた。そのおかげで他者を重んじる精神が成熟したのだろう。

 

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常識や世間の認識とは恐ろしいものだ。円滑に活動をすすめるためには譲渡すべき価値観もおおいにある。しかし同時に、絶対ゆずれないこともある。ここを相手に譲ってしまったら何のために派遣されているかわからなくなる

 

譲れないものとは?

フェルガナではわたしは既に有名人のようだ。タシケントへ上京したときTVに写っていたことを多くのウズベク人が教えてくれる。フェルガナ放送(?)でも一度インタビューを受けたため、良くも悪くも知名度が急上昇しているようだ。想像をはるかに上回る”ウズベクネットワーク”があってのことだろう。

 

乗合タクシーでウズベク人と同席したときには「日本から来たのかい?何の仕事をしているんだ?」ときかれる。わたしが、ウズベク語で答えようかロシア語で答えようか考えていると、すかさず「彼はフィジオテラピストよ」と隣の女性がいう。フィジオテラピストとは理学療法士(Physical Therapist)のことであり、ここウズベキスタンでは医師の一分野として認識されている。この女性も私のことを知っているようだと嬉しく思った次の瞬間、

彼はマッサージストなのよ

このときわたしのなかでガラガラとシャッターが降りた。

 

日本では理学療法士は運動の専門家であり、患者の身体機能や生活を支える職業である。理学療法士法第一項ではその定義を、

身体障害のあるものに対して主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操およびその他の運動を行わせ、及び電気刺激、マッサージ、その他温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

(日本理学療法士連盟規約より一部抜粋)

 

とし、理学療法士はその専門家と位置づけている。

 

活動範囲が日本でないなら法律や定義に固く縛られる必要はないと思うが、日本のなかであれば年間1万人以上の理学療法士が誕生するなか、定義を曖昧にしていては存在価値が危ぶまれてしまう。

 「彼はマッサージストなのよ

という彼女の発言でわたしの心は固く閉ざしてしまった。マッサージストとフィジオテラピストは全くの別物である。治療の一手段としてマッサージを併用することはあるが、単にマッサージをするだけでは目的が異なっていくる。

マッサージは筋肉の緊張を和らげたり精神的な安定をもたらす、といった効果が確認されており、臨床応用することは十分に価値のあることだと思う。ウズベクスタンでは理学療法士資格や要請校がないため同様の手技を看護師がおこなっている。この状況では、一般市民の間ではこのような認識にとどまってしまうのだろう。

 

 

まとめ

なのでわたしは「理学療法士はマッサージストではありません。運動の専門家です。」と伝えるようにしている。

いつの日かこの活動が実を結ぶことを信じて。

 

最後までお読みいただきありがとうございました、では現実に戻ります。

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